喪服/礼服

葬式・喪服の黒いベール付き帽子の名前は?顔にレースをかける意味について解説

喪服のベール(ヴェール)の意味・
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黒いベールを顔に纏い葬儀に参列する喪服の貴婦人ー

日本では帽子やベールを被った参列者を目にすることは少ないですが、洋画のワンシーンなどで見てその神秘的な出立ちが気になったことがある人は多いのではないでしょうか。

または、キリスト教式の葬式に参列する際はベール付帽子を着用した方がいいのかどうかなど、馴染みのない喪服のマナーが気になっている方もいるかもしれません。
この記事では、喪服として用いられるベール付帽子の名前や豆知識について解説していきます。

葬式の黒いベール付き帽子の名前と意味

画像引用:BAZAAR

喪服に用いられる黒いベールは2種類あり名前も異なります。

「トークハット」

「モーニングベール」

と呼ばれます。

トークハットとモーニングベールの違いと用途

トークハットは、つばのない帽子にベールがついたタイプの帽子です。

顔の一部にだけベールがかかる仕様になっています。

洋画でみかける喪服として真っ先に思い浮かぶのは恐らくこちらでしょう。

モーニングベールはベール単体で、頭から被り顔全体を覆うタイプのものをそう呼びます。

トークハットは正式な喪服であり、喪主や故人の親族だけが着用するものです。

一方モーニングベールは喪服ではなく、ミサなどの葬儀以外の儀礼でも着用するものであるという違いがあります。

そんな2種類のベール付帽子ですが、馴染みのない日本人からするとキリスト教の女性の一般的な喪服だと思ってしまいますよね。

しかし実はキリスト教全般の喪服ではなく、カトリック教でのみ着用されるものなのです。

葬儀における帽子の着用

正装として帽子を着用する文化は日本にはあまりありませんが、葬儀の際に帽子は着用してもいいのでしょうか。

キリスト教式の葬式では男性が正喪服としてモーニングコートにシルクハットを着用することもあります。

しかしマナーとして式場に入る際には脱帽することとなっています。

また先述のように女性はトークハットやベールを着用しますが、こちらは式中も脱帽する必要がありません。

日本では正喪服としてモーニングコートを着用することも少ないので、トークハット同様葬儀の際に帽子を着用する機会はまずないと言えるでしょう。

なぜ皇族は喪服にベールを被るの?

テレビで皇后陛下がベールのついたトークハットを被っておられるのを見たことがあると疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

これにはヨーロッパから日本へ洋装が伝わった歴史が関わっています。

明治時代、日本はヨーロッパ諸国に近代国家であることを示すため様々な改革を行いますが、その中の一つが洋装化でした。

対外的にアピールするため明治天皇自ら公式な場で洋装することを決定し、そうして国内にも洋装が定着しました。

そういう背景があって現在でも皇族の喪服は洋装であり、日本で見られる数少ない喪服のトークハットの例とも言えます。

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キリスト教(カトリック)の葬儀モーニングベールについて

モーニングベールについて解説していきます。

顔全体を覆うようなベールのことを指しますが、ベールの長さが哀しみの深さを表すとされており、故人との関係が近いほど長いベールを着用します。

故人の妻が一番大きなベールを被り、参列者はそれよりベールの小さなものを選んで着用しなければならないわけですね。

そもそもなぜカトリック教で、女性が儀礼の際にベールを着用するのかについては諸説ありますが、ベールには神への貞節という意味が込められているという説などがあります。

カトリック式の葬式におけるベールの着用

では、カトリック式の葬式に参列する際には女性はトークハットやベールを着用しなければいけないのでしょうか。

先述のようにカトリック教徒の女性が葬式の際にモーニングベールを被ることはありますが、参列者が信者でないのであればその必要はありません。

トークハットに関しては故人の遺族、親族だけが着る正喪服なので、むしろ参列者が被ってはいけないのです。

つまりベールの装いが素敵だからといって、故人の親族でない方がトークハットを喪服として着用してしまうとマナー違反になってしまうのでご注意ください。

モーニングベールの色

黒のモーニングベールは既婚者か未亡人が着用し、未婚の人は白を着用するなどベールの色に意味を込める地域もあり、葬儀にも白のベールを使用することもあるそうです。

喪服は黒いものという先入観が強いので、喪服に白を用いるのは違和感を覚えてしまいますよね。

喪服というと万国共通で黒の印象が強いですが、実は日本では第二次世界大戦までは喪服は白が一般的だったことはご存知でしょうか。

洋装化が進んだ明治期に西欧諸国と同じように、喪服を黒にする風潮が上流階級の間に生まれました。

そして第二次世界大戦で戦死者が増えたことで、何度も着回すうちに喪服は白だと汚れてしまうため黒のほうが都合がいいと喪服を黒とすることが一般的に浸透していったのです。

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まとめ

日本人にとってあまり馴染みのない黒いベール付帽子の知識について書いてきました。

以下にこの記事のポイントをまとめます。

○黒いベール付帽子の名前はトークハット、顔全体を覆うベールの名前はモーニングベール

○カトリック教で着用される喪服である

○トークハットは故人の親族しか着用できない

○ベールの長さが哀しみの深さを表すという意味が込められている

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