葬儀のマナー

身内の葬式に礼を欠かない5つのマナーと基礎知識

突然降りかかった身内の不幸。今まで葬儀に参列したことはあっても、親族の葬式を出す側になった方は少ないのではないでしょうか?家族の死に直面し動揺しているのは遺族だけでなく、親しい関係にあった親族も同様です。しかしここで大切なのは身内の葬式を出す側として、失礼のない葬儀準備や参列。そのためここでは身内として絶対に必要なマナーと基礎知識を5つご紹介します。

身内の葬式基本知識とマナー

初めての身内の葬式、知識も経験もなければ不安になるのは当然のことだと思います。しかし葬儀を滞りなく行う為には、事前の準備や遺族と親族の協力が欠かせません。この章では親族の役割、葬儀全体の流れ、そして身内の手伝いについて解説していきます。

 

身内とは

私達はいつも何気なく身内という言葉を家族や親戚という意味で使っていますが、具体的にどこまでが身内という範囲になるのをご存知でしょうか?実は身内とは家族や親しい間からの親族であり、はっきりとした規定はありません。

 

では親族とはどの範囲の親戚を指すのでしょうか?親族とは民法第725条で

1.六親等内の血族

2.配偶者

3.三親等内の婚族

 

と明確に法律で定められています。親戚とは親族を簡略化した呼び名であり、これも身内と同様法的な範囲は定められていません。ですから身内の葬式とは明確な線引きはなく、家族又は親族でお世話になった親しい間柄だった方の葬儀という意味で一般的に使われています。

葬儀の流れ

葬儀に参列した事はあっても、故人の死亡から葬儀の後までの一連の流れを把握している方は数少ないのではなでしょうか?ここでは身内の葬儀の始めから終わりまでを簡単に説明します。これが頭に入っていれば必要な段取りや役割も明確になり、葬儀の準備もスムーズに行えます。

 

①臨終→安置

②お迎え(遺体搬送)

③枕飾りと納棺→通夜

④葬儀→告別式→出棺

⑤火葬と骨上げ

⑥還骨法要と初七日→精進落とし(会食)

 

※還骨(かんこつ)法要とは骨上げ後に遺骨を持ち帰り行われる法要

以上がおおまかな葬儀の流れとなり、全ての過程が平均3~4日ほどで行われます。各ご遺族の事情や火葬場の都合もありますので、その時々で短縮されたり長くなったりします。

ここで身内のマナーとして大切なのが危篤の連絡があったら、出来る限り早く駆けつけるのが礼儀です。あなたに連絡がきたという事は遺族は故人とあなたが近い関係にあったと判断しているからです。この段階では普段の服装で構いません、突然の事なので当然なのです。ここで下手に喪服などを着ていくとかえって、訃報を待っていたのかと思われ相手に失礼になりますので注意が必要です。

 

身内の葬式手伝い

家族が亡くなり辛い思いをなさっている遺族の方々、ご臨終から葬式が無事終わるまでが心身共に一番大変な時ですから、礼儀として身内の方はお手伝いを申し出て下さい。万が一遺族が少数又は年配の方々のみとなると大変な手間となりますので、身内の方が心得ておかなければいけません。

最近は葬儀の規模も小さくなり、参列者も多くないケースがほとんどですが、会社や学校の方々がいらっしゃるような一般葬儀ではまだまだ人手が必要となります。では通常身内の手伝いの内容とはどんな事をするのでしょうか?下記にいくつか書き出してみました。

 

①世話役

②買い出し・台所・お茶出し・接待係り

③運転手(必要な場合のみ)

④駐車場誘導係り

⑤葬儀受付と会計係り

⑥出棺の儀式

ひとつずつ簡単に説明します。

 

①世話役

家族を亡くし辛い思いをしている遺族の代わりに、葬儀全般を取り仕切る役目です。遺族の意向を聞きながら葬儀社との間に入ったり、お手伝いの人達に支持を出すのも仕事で、通常経験豊富な親族が務めます。葬儀の規模が小さい時には遺族のみで対処するので、世話役がいない場合もあります。

②買い出し・台所・お茶出し・接待係り

通夜の席や葬式の最中に遺族や参列者又は僧侶がお茶を飲んだり、食事をする機会がが多々あります。この時に遺族は参列者の方々にご挨拶をするのが精一杯で、お茶やお菓子が足りているか、また足りない場合は買いに行く暇はありません。ですから遺族の代わりに茶葉やお茶請けの買い出しをしたり、参列者にお茶を出すのがこの係りの役割となります。

③運転手(必要な場合のみ)

葬儀の日は自宅から葬儀場、又は葬儀場から火葬場、火葬場から自宅等、一日で頻繁に移動します。通常葬儀社で遺族に車を出したり、参列者が多い時にはバスを頼みますが、親戚同士は車で一緒に移動しますので皆さん乗り合わせます。この時に自家用車がある方は運転手をすると周りの方々も助かると思います。

④駐車場誘導係り

葬式の規模にもよりますが、弔問客や僧侶が車で来た時に駐車場に誘導する係りです。式場や葬儀社が手配してくれる場合もあります。

⑤通夜と葬儀受付と会計係り

訪問して下さった弔問客を出迎え、芳名帳(ほうめいちょう)に記帳して頂き、香典を受取り管理する係りですので、香典の保管には注意が必要です。

⑥出棺の儀式

葬儀が終了し家族と親族のお別れも終わり出棺するときに、葬儀社の方々と親族で棺を寝台車まで運ぶ時の要員です。

以上が身内の手伝い要項となりますが、通夜と葬式の日程また必要事項などは遺族又は世話役と相談し指示に従いましょう。事前の打合せでは集合時間の確認も行って下さい。

身内の葬式・香典と供物

葬儀に参列する時、誰もが気を使うのが香典の金額ですが、身内の葬式香典となるとどうでしょうか?近い親族だがほとんど付き合いがなかった方、遠い親族だがとても親しくお世話になった方、と生前の間柄によっても金額が変わってきます。また親族とは一生のお付き合いになりますので、周りの親戚とも大きな格差のないよう気を付けたいものです。

そして身内の葬式で忘れてならないのが、供物(くもつ)や供花(くげ/きょうか)への心遣い。これも葬儀の規模・場所・遺族の意向もありますので、注意しましょう。

ここでは一般的な身内の香典と供物や供花について説明します。

身内の香典相場

身内の葬式に参列する場合の大まかな香典の目安は以下のとおりです。

・両親が亡くなった場合は3~10万円

・兄弟姉妹が亡くなった場合は3~5万円

・祖父母が亡くなった場合は1~5万円

・叔父・叔母が亡くなった場合は1~3万円

・その他の親戚が亡くなった場合は5千円~2万円

これは親族の間柄だけで表された金額ですので差があります。ここに参列者の年齢や親近度を加算して計算します。

例) 祖母が亡くなった場合

20代 1~3万円

30代 2~5万円

40代 3~5万円

ほとんど交流のない間柄ならば最低金額、お世話になった間柄なら最高金額を考えれば間違いありません。

そして香典について大切なマナーがいくつかあります。

1、4(四)と9(九)のつく金額の香典は渡さない

2、新札を使用しない、故人の死を見越して事前に用意したと思われるため

3、1家族で1つの香典、夫婦の場合は2人分をひとつに包む

4、扶養の子供は香典の必要なし

5、独立し収入のある子供は香典が必要なので個人名で出す

6、親族として最後の精進落とし(会食)まで出席する場合、参列者のコストは1万円前後かかるので、マイナスにならないようにそれ以上を香典として包むのが礼儀

身内の葬式供物や供花

供物(くもつ)や供花(くげ/きょうか)とは近親者が故人を偲び、お別れの気持ちを込めて送る果物や花を指します。ですから身内で葬式となった場合、喪主に供花か供物を送りたいのですが、とお伺いを立てるのがマナーです。最近は葬儀の縮小と簡素化により喪主から丁重に断られる場合もありますが、その時には喪主の気持ちを尊重しましょう。

供花も供物も相場は一基7千円~2万円ほどで、親戚一同や孫一同と共同名で出すことが多くなっています。この場合香典は別途必要なので注意しましょう。また宗教によって供物にも違いがありますので、事前に相談した方が無難です。注文は葬儀を請け負っている葬儀社が一般的です。

身内の葬式服装

喪服には3つの格式があり、立場と弔事によって着用基準が変わります。

①正喪服:男性は*モーニングコートか*紋付羽織袴・女性は*ブラックフォーマルか黒無地の着物

②準喪服:男女ともにブラックフォーマル

③略喪服:平服とも呼ばれる黒かダークカラーの普段着用しているスーツ

*モーニングコートとは:ジャケットとベストが黒でズボンが黒かグレーで細いストライプが入った正装。

*紋付羽織袴とは:紋付きの長着に袴をはき、紋付きの羽織を着用する正装。

*ブラックフォーマルとは:冠婚葬祭に着用する礼服で、男性はスーツ・女性はワンピースのアンサンブルが主流。普通の服とは違いマットで光沢のない生地で作られている。

一昔前は親族の葬儀には三等親まで全員正喪服着用とされていました。しかし現在は喪主を含め通夜や葬儀の席では服装も簡素化されて、遺族や親戚もブラックフォーマルの着用率が高くなっています。

 

重要なのは親族は喪主よりも格上の服装をしない事、また参列者よりも格下の服装をしないことです。その為には事前に喪主が何を着用する予定なのか聞いておくと同時に、こちらの服装に対してリクエストがあるかどうかも聞いておきましょう。小さな葬儀ならば問題ありませんが、地方の大きな葬儀では今でも親族一同正喪服の場合もあります。

身内としての服装とアクセサリー

通夜が臨終後直ぐに行われていた時代は*平服が普通でしたが、最近は翌日に執り行われる事もあるため、通夜の席でもブラックフォーマル着用がほとんどです。特に規模が大きな通夜の場合は会社関係者も訪れるので、身内としては参列者よりも格下にならぬよう気を付けたいものです。

*平服とは:普段から着用している黒い又はダークカラーのスーツ

<通夜の服装>(臨終同日/臨終翌日)

男性→平服/ブラックフォーマル

女性→平服/ブラックフォーマル

子供→学校の制服、又は平服

 

<葬儀の服装>

男性→ブラックフォーマルのスーツ(白いシャツ+黒いネクタイ+黒い靴下)

女性→ブラックフォーマルのアンサンブル(ひざ下長けワンピースにジャケットが主流+黒いストッキング)

子供→学校の制服、又は黒やグレーのジャケットにズボンやワンピース

 

<小物とアクセサリー全般の注意点>

靴・バック・ベルト等は光らないマットな黒を選び、派手な金具や装飾はない方が無難です。又動物の皮素材は仏教の殺生に反する為に着用しないで下さい。通常アクセサリーは結婚指輪のみ、又は一連の真珠ネックレスとピアス。二連以上のネックレス類は、重ねる=親族で再び葬儀が出ることを意味するので避けるべきです。アクセサリー以外にも袱紗(ふくさ)と数珠、白いハンカチも忘れずに用意しましょう。

 

<髪型と化粧について>

髪が長い場合は耳よりも下で縛るのが一般的です。基本的にマニキュアは無しで、シンプルで自然な化粧を心がけます。派手な髪型や装飾は止めましょう。

身内の葬式で大切なのは故人を偲ぶ事、ですので身なりは質素で目立たないのが一番です。また繰り返しになりますが、身内の葬儀服は式の規模や遺族の意向によって変化しますので、事前に注意が必要です。最近は喪服レンタルもあり、夕方までに注文すれば翌日届く便利で急な葬儀にも対処可能です。

身内の葬式に行けない場合

急な親族の葬儀で出席できない場合、以下の4つで弔意を表すことが出来ます。

礼を欠かない弔電

葬式の日程に予定があり参列出来ないと分かっている場合には、遺族に行けないことを連絡し、葬儀前にまでに弔電(ちょうでん)を打ちましょう。これで遺族にはあなたの弔意が十分に伝わるはずです。

供物か供花をおくる

身内として葬儀には参列出来ないが、故人を偲び供物をおくるのは良い考えです。親族一同で出すことも多々ありますので、事前に相談してみましょう。

香典をおくる

身内で香典を代わりに持って行ってくれる方がいればお願いしましょう。もしいなければ現金書留で郵送しても良いですが、その場合は通常通り香典袋に包んでから入れましょう。葬儀後自宅に弔問(ちょうもん)に伺う予定ならば、その時に持参すれば問題ありません。

葬儀後の弔問

葬儀後自宅に弔問したい場合は、事前に遺族に連絡し都合の良い日を聞いてから伺いましょう。その時には香典、もしくは日持ちする菓子や線香などを持参、手ぶらで行くのは避けましょう。葬儀後の弔問に喪服は必要なく、平服が一般的です。身なりは葬儀と同じで派手にならぬよう気を付けましょう。

遠縁の親族の葬儀には出席するべきか

基本的に葬儀の案内は親族の三等親まで連絡がきますので、その場合は出席した方が良いです。四等親以上ならば参列しなくても失礼にはなりませんが、生前お世話になった方ならば葬式には出席するべきです。

 

※一等親→父母・義父母・子とその配偶者

二等親→兄弟姉妹とその配偶者・配偶者の兄弟姉妹・祖父母・義理祖父母・孫とその配偶者

三等親→甥姪とその配偶者・叔父叔母とその配偶者・曽祖父母とその配偶者・ひ孫とその配偶者

四等親→従妹・高曽父母・大叔父大叔母・玄孫・甥姪の子

身内の通夜と葬式の当日

通夜と葬儀の準備は前日に終わらしておけば、当日早めに会場入りする時にも慌てません。身なりに気を付けるのはもちろん、香典・袱紗・数珠・白いハンカチの持ち物、またお手伝いをする予定の方は必要な物も持参しましょう。大きな葬儀の場合は急な台所仕事が発生するかもしれませんので、白か黒のエプロンがあると便利です。また女性の場合はストッキングの替えがあると安心ですね。

身内の通夜と葬式5つの注意点

①親族として参列者をお迎えするので時間に遅れない事、出来れば一時間前に遅くても30分前には到着するようにしましょう。また手伝い係りの方々は打合せ時間通りに行き、仕事の手順を確認します。

②一般的に親戚の葬儀席は右側と言われていますので、他の親戚と一緒に着席します。

③葬儀後に親戚は一同が集まりお別れの儀式を行います。祭壇から降ろされた棺の中に花を一輪ずつ入れましょう。

④出棺の儀式は親族がしますが、人数が足りない場合は葬儀社の方々にも手伝って貰えます。

⑤通夜払いの会食は1時間程度、葬儀後の精進落としは2時間程度が一般的です。親族は参列して頂いた方々に感謝の気持ちを込めて挨拶とおもてなしを心がけましょう。久しぶりに会った親戚と話が盛り上がることもあるかもしれませんが、飲み過ぎて大きな声で話したり、長居するのはタブーです。人手が足りない場合はすぐに手伝えるように用意しましょう。

身内の葬式まとめ

身内の葬式に参加する時に礼を欠かないマナーと基本情報をまとめてきました。親族の葬式は一般参列者とは違い、細々としたことに気を配る事が求められます。基本的な考え方で最も大切なのは

1、遺族の負担が軽くなるように出来るだけ手伝う事

2、参列者の方々に感謝の気持ちで接する事

この二つを心掛けて故人と遺族に敬意をもって参列しましょう。

 

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葬儀・葬式の正しい情報を提供するウラル君です! 大切な人を失った時に、後悔しないようなお見送りが出来るよう準備・手順・おすすめ方法などを紹介します。
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