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家族葬で失礼のない参列の断り方とは?文面と口頭どちらが適切?

高齢化や核家族化が進む近年。かつて主流だった大規模な葬儀は減り、小規模な葬儀が増えてきています。小規模葬儀にもいくつか種類はありますが、中でも身内だけで行う家族葬が人気です。

家族葬が大規模な葬儀と違う点は、親族などの親しい人だけが参列すること。

参列者の数が絞られることによって、会場費や参列者への返礼品などの費用をおさえられます。アットホームであたたかいイメージがある点も、多くの人が家族葬を取り入れる理由です。

しかし、家族葬を執り行う際に、誰に参列してもらえばいいのか、参列をお断りするのは失礼ではないか、などを心配される方が多くいらっしゃることも事実。
この記事では、そんな疑問にお答えするとともに、お断りする際に失礼とならない例文も紹介します。

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家族葬の参列を断るのは失礼?

家族葬は近年人気が急上昇していることから、初めて経験する方も多いのも現実。
そのため、家族葬を執り行うと決めたものの、家族以外の方の参列を断ることは失礼にあたるのでは?と心配される方も数多くいらっしゃいます。

結論からいうと、家族葬で親族以外の参列を断ることは失礼なことではありません。

家族葬を挙げるケースは、遺言など故人の希望であることも多く、故人の遺志を尊重するという側面からも、参列をお断りすることは問題がないのです。

また、家族葬の場合は一般的には身内(親戚)の中でも範囲を限定することが多いことが特徴です。

家族葬に参列するのは何親等まで?

では、家族葬に参列する親族は何親等までが適切なのでしょうか。

一般的に、家族葬に参列するのは3親等までと言われています。
3親等とは、下記の表の親族を指します。

1親等 父母
(その配偶者)
2親等 兄弟・姉妹
(その配偶者)
祖父母
(その配偶者)
3親等 伯父伯母・叔父叔母
(その配偶者)
甥姪
(その配偶者)
曽祖父母 曾孫
(その配偶者)

しかし、一般的に3親等であるからといって、それ以外の深い関わりのある親族の参列を断らなければいけないというわけではありません。故人の遺志や、遺族の判断で適宜決めて良いものです。

親族とは今後も長く付き合っていく場合が大半です。親族間のトラブルに発展することを避けるためにも、参列してもらう親族 については故人の遺志を尊重しつつ、遺族でもよく話し合って決めておきましょう。

事後報告はトラブルのもと

家族葬の参列を断ることは失礼ではないからといって、生前お世話になった方々などに故人が逝去したことや、葬儀を行うこと自体を報告しなくて良いというわけではありません。

葬儀などが終わった後の事後報告になってしまうと、「どうして教えてくれなかったの」と苦言を呈されたり、懇意にしていただいた方であれば、それこそ失礼にあたりますので注意しましょう。

何らかのトラブルが起きてしまったり、やむを得ない事情があって事後報告となってしまった場合には、誠意をもって丁寧に、事後報告となってしまった理由や連絡する意思があったことなどをお伝えする必要があります。

上記のようなリスクを防ぐためにも、故人と親しかった人やご近所などには事前に連絡しておくことが大切です。

ただし、故人とあまり深い付き合いがなかった方などについては、喪中はがきでの連絡でも良いでしょう。

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家族葬の参列の断り方

家族葬を執り行うと決めた場合は、各関係者へ弔問辞退(参列辞退)の連絡をいれる必要があります。

では、どのように弔問辞退(参列辞退)の連絡をすれば良いでしょうか。

家族葬の参列辞退は文面と口頭どちらが良い?

家族葬を行うための弔問辞退(参列辞退)でまず遺族を悩ませるのは、文面(文書)と口頭のどちらでお伝えするかということ。

これについての答えは、故人とその方の関係性によって異なります。

以下で詳しく説明していきますが、文面と口頭どちらにおいても伝え漏れのないように、まずは故人と関係のある人をできる範囲で把握しておくことが重要です。

ご近所の場合

ご近所の方など、すぐに会える関係である場合は、対面でお伝えすると丁寧な印象となります。

また、今後もお付き合いがあることが多いので、そういった側面からも、時間が許す限り直接訪問して故人が亡くなったこと、家族葬を行うことをお伝えしましょう。

親戚や故人の友人など親しい間柄の場合

葬儀に参列を予定していない親族や、生前に故人と親しくしてくれていた方、懇意にしてくれていた方についてはどうしたら良いでしょうか。

そういった方が近くにお住まいであれば、直接訪問すれば丁寧な印象となりますが、遠方にお住まいの場合も多くありますので、まずは電話で一報を入れると良いでしょう。

故人が会社などに勤務していた場合

故人が会社など勤務していた場合は、勤務先に一報を入れる必要があります。
勤務先への連絡手段や手続きなどについては、勤務先の就業規則に従いましょう。

上記の他にも広くお知らせする場合などについては、訃報通知の文面に辞退の旨を一言追加しておく程度で大丈夫です。

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家族葬の参列辞退をしても香典や供花は受け取るべき?

家族葬の弔問辞退(参列辞退)の場合に困ることとして、次いで多い疑問は、香典や供花を受け取っても良いのかということです。

古くからの一般的な葬儀経験が豊富な方などであれば、何もしないことに心苦しさを覚えて「せめて香典(供花)だけでも・・・」と申し出てくれることがあります。
そういった場合に、どうするべきかと迷うこともあるかもしれません。

葬儀の参列を辞退する場合には、香典や供花も受け取らない(辞退する)ことが一般的です。

参列辞退をお知らせする際に、香典や供花も不要である旨をきちんとお伝えしておけば、先方にも余計な気を遣わせることもなくなります。

しかし、そうは言えども香典や供花は故人を悼む気持ちです。お断りしきれなかったり、かたくなに拒み続けてしまうと相手側を不快な気持ちにさせてしまう恐れもあります。そういった場合には、受け取ってしまうことも一つです。

ここで注意したいのは、1人から受け取ってしまうと他の方からも受け取らざるを得ない状況になってしまう可能性があるということ。
また、香典や供花、突然の弔問を受け入れた場合は、必ずお礼(返礼品)を用意することを忘れないようにしましょう。

「どうしても贈りたい」と言ってくれる人がいる場合は、事前に葬儀社へ相談しておくのもひとつの方法です。

家族葬の参列をお断りする文例

ここまで、参列辞退を伝える方法を関係性に分けてお伝えしてきましたが、実際どのような言葉でお伝えしたら良いのでしょうか。

利用シーンの多い電話、文面について各方法にあわせた文例を紹介します。

家族葬の参列辞退を電話で伝える場合

お忙しい中、突然のご連絡申し訳ありません。
お世話になっております○○の妻△△と申します。
夫の○○が○月○日に容態が急変し、治療の甲斐もなく息を引き取りました。
葬儀は故人の遺志により家族のみで行う予定ですので、葬儀への参列およびご厚意は固くご辞退申し上げます。
皆様にはご不便をおかけしますことをどうかご容赦ください。

上記は勤務先へ電話で連絡をした場合の例文です。

ここで伝えるべきポイントとして、以下の3点をおさえておきましょう。

・本人もしくは親族が亡くなり葬儀のために休暇が必要なこと
・葬儀は家族葬を行うのため参列辞退すること
・香典や供花も辞退すること

勤務先によっては電話で一報を入れておけば、勤務先側の担当部署(総務など)から社内に文書で通知してくれる場合もありますが、会社側でそのような対応が難しい場合は、念のため勤務していた部署などにも直接電話や文書で通知をしておくと、家族葬と知らずに弔問される等のリスクを防ぐことができます。

家族葬の参列辞退を文面で伝える場合

謹啓 〇月〇日、父○○が逝去いたしました。
父の遺志を尊重し、近しい近親者のみで家族葬を執り行うこととなりました。
故人の遺志により、御香典・供花などのお気遣いはご遠慮させていただきます。
生前のご厚情に御礼申し上げます。 謹白

上記の文例は広く使用できる形になっています。

ここで伝えるべき3つのポイントは、

・故人が亡くなったこと、近親者だけの家族葬を行うこと
・故人の遺志で参列と香典・供花も辞退すること
・故人との生前のお付き合いに感謝していること

「謹啓・謹白」は、改まったシーンや目上の方を敬う意味合いがあり、とても丁寧な文章の印象になります。

本来は参列したい気持ちの方がいるということを考慮し、より丁寧に遺志をお伝えすることを心がけましょう。

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【まとめ】家族葬の参列断り方

ここまでの内容を、以下にまとめました。

この記事のまとめ

・家族葬の参列を断ることは失礼ではない
・家族葬の参列条件に絶対の決まりはないが、親族であれば3親等以内が目安
・参列辞退の場合は同時に香典や供花も辞退することが一般的

葬儀への参列は、あくまでも人と人とのつながりであり、参列辞退の連絡時をはじめとしたやり取りの際には、そのことを忘れてはなりません。

相手の気持ちを考えたうえで失礼にならない対応を心がけ、故人にとっても遺族にとっても、良い送り出しとなるようにしたいですね。