葬儀の種類

樹木葬の生前予約とは?メリット・デメリットや体験してわかったこと

あなたは、ご自分が亡くなったときの葬儀やお墓のことについて、考えられたことはありますか?

少子高齢化がすすんでいる日本では、お墓を継承する人がいないと悩む方も少なくありません。そんな方におすすめしたいのが、樹木葬です。一度は耳にしたという方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは、樹木葬について、生前予約をした場合のメリット・デメリットや実際に体験をしてわかったことなどをお伝えしていきます。

樹木葬とは?

一口に樹木葬といっても、いろいろな方法があります。

代表的なものは、シンボルとなる樹木を墓石の代わりとして、周りに遺骨を埋葬する方法です。公園型・都市型の樹木葬と呼ばれるものです。主として、霊園や寺院内で埋葬されます。

一方、人里離れた豊かな自然に囲まれた山に埋葬される方法は、里山型の樹木葬と呼ばれています。

いずれの方法も、「墓地・埋葬等に関する法律」(昭和23年5月31日法律第48号)により、都道府県から許可を得た場所に埋葬しなければなりません。

樹木葬は生前予約がおすすめ

樹木葬がはじめておこなわれたのは1999年で、比較的新しい埋葬方法です。菩提寺のように先祖代々から継承されているものではなく、ご自分のために生前予約をしておく方が多いのが特徴です。

とはいえ、生前からお墓を準備するのはどうなのでしょうか?

お墓を生前予約するのは縁起悪い?

お墓を生前予約することに抵抗がある方もおられることでしょう。しかし、中国で始まった「寿陵(じゅりょう)」、すなわち生前にお墓を建てることは、「長寿」「家庭円満」「子孫繫栄」を招き、縁起の良いことといわれています。

樹木葬の生前予約とは?

樹木葬の生前予約は、言うまでもなくご自身が元気なうちに、自分のためにお墓を準備することです。自分の納得のいく形で、また自分の好きな場所を選択することが可能です。

では、樹木葬を生前予約することのメリットはなんでしょうか?具体的にみていきましょう。

樹木葬の生前予約のメリット

樹木葬の生前予約の最大のメリットは、自分自身が納得し、満足できる選択が可能なことでしょう。近年増えつつある樹木葬ですので、選択肢も広がってきています。実際に現地に赴いて、自分の目で確かめることができます。シンボルとなる樹木を選んだり、樹木葬の型を生前に時間をかけて選択できるのです。

また、遺されたご家族に経済的な負担などをかけずに済むのも、メリットの一つといえます。ご自身で樹木葬を生前予約しておけば、あなたに万一の事があっても、ご家族はお墓はどうしようかと慌てることもありませんね。

経済的な負担という意味では、樹木葬を生前予約することは、節税対策にもなります。法律により、お墓や仏壇を継承した場合には、相続税がかからないと定められているからです。樹木葬を生前予約しておくことにより、ご家族には相続税はかかりません。

樹木葬の生前予約のデメリット

次に、樹木葬の生前予約のデメリットについても、みていきましょう。

樹木葬の生前予約のデメリットとしてまず考えられるのは、生前から管理料がかかることです。多くが、年間管理料という形での支払いになります。

樹木葬の生前予約には、ご家族の理解も必要となります。特に菩提寺がある場合には、よく話し合われたほうがいいでしょう。別のお墓に埋葬されている遺骨を樹木葬に変える際には、改葬の手続きが必要となり、費用も発生します。

また、近年樹木葬が人気となり、公営の墓地や霊園でも樹木葬ができるようになってきました。しかしながら、数としてはまだまだ少ないのが現状です。もし、公営の墓地や霊園における樹木葬の生前予約を希望するなら、倍率が高くなることも念頭にいれなければいけません。

樹木葬の生前予約のパイオニア

樹木葬を日本ではじめて取り入れたのは岩手県の祥雲寺(現・知勝院)ですが、市民の声を拾う形で樹木葬を広めていったのが、NPO法人エンディングセンターです。尊厳ある死と葬送を実現するために活動している市民団体で、その代表的な活動が桜葬という樹木葬です。

まず、エンディングセンターの桜葬についてみていきましょう。

エンディングセンターの桜葬について

桜葬は、樹木葬の一つです。遺骨を埋葬するときの墓標となるシンボルツリーが桜となります。春を代表する樹木である桜の下に葬るという形の桜葬を、東京ではじめて手がけたのが、エンディングセンターです。

現在エンディングセンターの桜葬墓地は、東京都町田市の「町田いずみ浄苑」と大阪府高槻市の「神峯山寺(かぶさんじ)」霊園内にあります。

エンディングセンターの桜葬の特徴は、次の通りです。

  • 市民が生活者の視点で企画・実現させた墓
  • 家族による管理を必要としない
  • 墓を継承したければ、継承することも自由
  • 遺骨を土に還す形式
  • 宗教は自由
  • 桜が咲く春に合同祭祀「桜葬メモリアル」を実施
  • 墓を核とした交流、支援活動を展開

(引用:エンディングセンター)

エンディングセンターの桜葬墓地は、会員になることにより生前予約ができます。

樹木葬の生前予約のパイオニアはエンディングセンター

エンディングセンターは、元々は「21世紀の結縁と墓を考える会」としてスタートしました。その後、時代のニーズに応える形で発展していき、発足から10年を経るころに、祥雲寺(現・知勝院)において樹木葬が開設されました。

そのことをきっかけに、エンディングセンターの会員からは「考えるだけではなく、自分たちのお墓が欲しい」という声が上がり、2005年に東京ではじめての桜葬墓地が完成するに至りました。

今でこそ、樹木葬はメディアでも取り上げらるほど、一般市民の関心も深まってきていますが、当時はまだまだ知られていませんでした。まさに、エンディングセンターは、樹木葬の生前予約のパイオニアとして、重要な役割を担ってきたのです。

樹木葬の生前予約の体験談(エンディングセンター)

最後に、実際にエンディングセンターにおける樹木葬の生前予約を体験してみて、わかったことをお伝えします。

両親が樹木葬の生前予約を選択したのは

両親はともに無宗教です。父は、学生時代からの無二の親友の葬儀に出席した時の印象が良くなかったのか、自分の時はいわゆる宗教儀式を伴った葬儀はしてほしくないと、母にはっきりと告げたそうです。

母もまた、熱心な浄土真宗の家庭に育ちながらも、まったく信仰心はなかったので、実家ではお墓参りにでかけるという習慣もありませんでした。

そんな両親がお墓のことを考えるきっかけになったのは、ある新聞記事だったようです。桜の木の下で眠るという桜葬のことを知り、それは素晴らしい方法だと感激した両親は、完成して間もないエンディングセンターの桜葬墓地を見学することになります。

エンディングセンターが主催する説明会に参加したり、実際に見学をして、お墓を建てるより桜の下に眠るのがいいとの結論に達し、桜葬墓地を申込むことになりました。

こうして両親は、樹木葬の生前予約をすることになったわけです。

樹木葬の生前予約の申込みの流れ

エンディングセンターの桜葬を申込むためには、まず会員にならなければなりません。両親が会員登録した際には、すでに会員になっている方が立会人として同席したそうです。また、母は証人という形になり、父が会員として登録されました。

会員登録をすることにより、はじめて桜葬墓地の使用の申込みができます。墓地の使用料として40万円、環境保全費として21万円、合計で61万円を振り込み、桜葬(樹木葬)の生前予約は完了です。

現在、エンディングセンターでは一区画で使用できる人数は1人から4人まであり、ペットと一緒に入れる区画もあります。両親は家族の事も考えて4人まで入れる区画を申込んでいます。

会員登録後は、年に4回の会報が届いて、エンディングセンターの活動内容などを知ることができます。また、年会費が¥5,000かかります。

父が亡くなってからの手続き

父は自分の葬儀は無宗教でと望んでいたので、葬儀は直葬で行いました。ただし、葬儀社と相談をして、基本的な直葬プランにオプションをつけています。

父が亡くなり葬儀社との打ち合わせを済ませ、帰宅してすぐエンディングセンターに連絡を取りました。納骨の日が決まったら、いつでも連絡をくださいとの返答がありました。

そこで、亡くなった2日後、斎場で火葬が終わるのを待つ間に、家族でいつ樹木葬をするのかを相談しました。無宗教とはいえ、慣例的に49日法要での納骨が多いことを鑑みて、49日に近い週末に樹木葬をすることに決めました。

エンディングセンターに電話をして、納骨の希望日を伝え、すべての手続きは終わりです。

樹木葬の実際と感想

父が亡くなったのは1月半ばでしたので、樹木葬は3月10日に実施しました。樹木葬といっても、我が家の場合は無宗教ですから、お坊さんの読経などの宗教儀式は一切ありません。

樹木葬には、全員で8名が集まりました。まず、エンディングセンターの桜葬墓地がある「町田いずみ浄苑」内の泉心庵に集合します。火葬をした際に渡された埋葬許可証を提出してしばらく待機をしたあと、係の人が樹木葬をする墓地まで案内してくれます。

骨壺から遺骨が取り出され、樹木葬の生前予約をしていた区画に埋葬されます。

樹木葬

埋葬した遺骨の上にも、土をかぶせていきます。

生前予約

最後に芝の蓋がされて、樹木葬は無事に終了です。

樹木葬終了

父の直葬をした時にも感じましたが、とてもシンプルに粛々とすべてのことが進んでいったように思います。父が望んだように、宗教的な儀式は一切取り入れていないので、よくわからない読経を聞くこともなく、短時間で終わることができました。

まだ少し肌寒い時期ではありましたが、桜の木の下に父と同じように樹木葬を選択した人たちがそばにいるのですから、それほど冷たさを感じずに、そして寂しいこともなく静かに眠ってくれるのではと思えました。

結果として、樹木葬の生前予約をしていた父のおかげで、私たち家族も心おきなく父を見送ることができたので、とてもよかったと思っています。

樹木葬の生前予約まとめ

以上、樹木葬の生前予約について、メリット・デメリットや実際の体験談をお伝えしてきました。

樹木葬の生前予約は、ご自身で自分のためのお墓を準備することです。

ご紹介したエンディングセンターでは、遠隔地からでも桜葬墓地が利用できる「桜便」というシステムがあります。遺骨の郵送やスタッフによる埋葬、さらにはスタッフが行って遺骨を移送することも可能です。

今や、生前にご自身で自分のお墓の準備をすることは、珍しいことではなくなりました。これを機に、あなたも樹木葬の生前予約について考えてみてはいかがでしょうか。

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Micky
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長い人生の中で、一度は経験するであろう葬儀。はじめてで戸惑うことやお悩みもきっとあることでしょう。実父を見送った経験をふまえながら、葬儀のことについて、皆さんのお気持ちに寄り添いながら、わかりやすくお伝えしていきます。
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