「家族みんなと過ごす家が大好きだった。だから自宅から旅立ちたい。」
別れを予想している、あるいは別れが急なものであっても、故人の気持ちを尊重して自宅に戻って家族や近しい人と最期の時を過ごさせてあげたい。
でも、自宅でどのように葬儀を行えばいいのかお困りではないでしょうか?
そう思う人たちのために、自宅で行う「自宅葬」があります。
「日頃忙しく、看取ってあげる準備がなかなかできない。自宅で、自分たちで旅立たせてあげることができるだろうか?」
そんな不安や心配のお手伝いをしてくれるのが葬儀社です。
ここでは、自宅の葬儀をお手伝いしてくれる葬儀社をご紹介します。
自宅での葬儀の段取り、手続き、費用、ご家族のご希望に合わせてプランを調整してくれる葬儀社の選び方についてもまとめています。
【目次】
自宅で葬儀を行いたい。葬儀社に頼めるの?
日本では以前は自宅葬が一般的でしたが、今は葬儀社に頼んで葬儀を自宅以外で行うことが多くなってきました。しかし、故人や家族の想いから、自宅で葬儀を行いたいという人も少なくありません。
自宅で葬儀を行う「自宅葬」の場合、都市部では近所付き合いも少なく、家族や知人、友人たちで葬儀を行わなければならないのかと思うと、どこから始めていいのかわからないのではないでしょうか。
しかも残された家族が働き盛りの世代の場合は、子供達もまだ小さかったりして、仕事や家事に追われる毎日です。
故人のことを思うと自宅から見送ってあげたいけれど、いま自宅葬を準備して行う余力はない、と考えこんでしまいますよね。
確かに葬儀の準備や当日まで、全て自分たちで行う人もいますが、今は代わりに葬儀社に頼むこともできます。
多くの葬儀社が自宅での葬儀にも相談に乗り、請け負ってくれるので、忙しい世代が手がけるお葬式もそれほど苦痛ではありません。
葬儀社に自宅での葬儀を依頼する
自宅での葬儀を行うつもりだけど、何からどうやって始めればいいのか、初めてのことでわからないことだらけですね。
何から始めるべきか、順序立ててご紹介していきます。
頼むタイミング、見積もり
葬儀社もたくさんありますが、自宅での葬儀に関する相談は365日24時間受け付けているところが多いです。
本当はゆとりを持って見積もりをとり、自宅でどんな葬儀をしたいのか相談したいと思っていても、いつ亡くなるか予測できないケースがほとんどです。
お葬式なんてまだ早い、と考えていても意外とその時は早く来るものです。
たとえ葬儀社を決めていなかったり、相談など全くせず急なご逝去になってしまったりしても、いつでも葬儀を受け付けてくれるので安心です。
費用相場はどれくらい?プランは?
葬儀社の中でも小規模の葬儀に特化している葬儀社を2つ、ご紹介します。
「小さなお葬式」
ここでは自宅での葬儀において2タイプ、準備されています。
プラン1:小さな家族葬
459,000円(税抜)
事前に相談し、資料請求しアンケート回答すると最大10,000円割引になるので、449,000円となります。
こんな人たちに向いている葬儀です。
- 自宅での葬儀を行いたい
- 家族や友人、知人など親しい人だけ呼びたい
- 自宅で葬儀を行える広さがある
- 来客用の駐車場を自分で確保できる
一般葬と同じで、お通夜、告別式、火葬まで行ってもらえます。
一般葬と異なるのは、会場が自宅であること、参列するのは家族や親しい人たちだけということです。
オプションで、お坊さんを呼んだり会食をする段取りも手伝ってもらえます。
プラン2:小さな火葬式
169,000円(税抜)
こちらも事前に相談し、資料請求、アンケート回答すると最大10,000円割引になり、159,000円となります。
こんな人たちに向いている葬儀です。
- 費用をおさえたい
- 故人やその家族、友人も高齢で呼べる人が少ない
- 儀式にこだわりがない
プラン1と違ってお通夜と告別式はありません。亡くなったあと、ご自宅に戻りしばらく過ごされ火葬のみ行う、一番シンプルなプランです。
必要な物品やサービスが少ない分、安く済ませることができます。
この「小さなお葬式」では早く申し込むほど割引が大きく、最大71,000円も値引きされる、という特典もあります。
「よりそうのお葬式」
こちらでも自宅葬のプランが用意されています。
プラン1:一般葬プラン
508,000円(税抜)
WEB割引として、資料請求すると5,000円割引になり、503,000円となります。
事前に予約し、料金を前払いするとさらに70,000円の割引になります。
お通夜、告別式、火葬まで行ってもらえます。
ただし、僧侶を招いての葬儀になると別料金がかかります。
「小さなお葬式」と内容はほとんど同じですが、こちらでは自宅での葬儀もできますし葬儀場での葬儀もできます。
プラン2:火葬式プラン
128,000円(税抜)
WEB割引として、資料請求すると5,000円割引になり、123,000円となります。
事前に予約し、料金を前払いするとさらに20,000円の割引になります。
お通夜と告別式はありません。こちらもご自宅に戻るか葬儀場でしばらく過ごされ、火葬のみ行うシンプルなプランです。
どちらの葬儀社も亡くなった場所、病院などからご自宅までの搬送や物品準備、サービスなどを提供してもらえます。
2社とも内容は変わらないように思えますが、「よりそうのお葬式」では搬送距離が50kmを超えると追加料金がかかる、などの条件がもうけられています。
まずは資料請求、相談してみて細かいところまでチェックしてみましょう。
必要な手続き
自分がもうあまり長くは生きられないと悟ったとき、悲しみの中でもいろんなことが頭に浮かびます。当然、自分の葬儀のことも考えるでしょう。
自宅で葬儀をしたい、だけど自分や家族たちで準備することは仕事や家事、家族のことで忙しくいろいろ難しい。
そう思ったら、まず葬儀社にコンタクトをとり、相談してみることです。最初は資料を請求するだけでもよいでしょう。
まだ相談するのは早いと思っていても、自宅で葬儀を行いたいとなると、一般葬と異なり、自宅にどのくらいのスペースがあればよいのか、参列客は誰にするか、どういった関係の人まで呼ぶべきか、おもてなしはなど、考えなければならないことがたくさんあります。
例えば上記のような2つのプランで、自分たちならどのプランが良いか見当をつけ、一度自宅での葬儀について葬儀社に相談してみてはいかがでしょうか。
きちんとアイデアがまとまっていなくても、どんな葬儀にしたいか話をする、希望を述べてみることで、望ましいお見送りの形が見えてくるかもしれません。
見積もりも出してもらえるので費用の面でもどのくらいかかるのか、どんなオプションがあるのかなど知ることができます。
急にお亡くなりになっても多くの葬儀社が24時間365日受付可能なので、事前に相談や見積もりを取っていなくても自宅での葬儀に対応してくれる葬儀社はたくさんあります。
自宅で葬儀。葬儀社はどこまでやってくれる?
自宅での葬儀をしたいと思っても、仕事で時間がとれない、家事が忙しく自分たちですべて行うことがむずかしい。
そんなとき、自宅葬を扱っているかどうか、扱っている場合、どのくらいのサービスなのか、どこまで手伝ってくれるのか。
疑問に思うことをすべて葬儀社に問い合わせ、相談するのがよいでしょう。
そして、自分たちだけで葬儀を行う場合と葬儀社に自宅葬を依頼する場合、何が違うのかを知ることができます。
当日までの段取り、準備
亡くなる前にご本人の希望を聞き、どのような形で見送ってもらいたいかを聞いておくことが一番ですが、もし急に亡くなったり予期せぬ時に亡くなってしまった。
それでも自宅から見送りたい場合はどうすればよいでしょうか。
万が一、家族が仕事をしばらく休んで手続きや準備ができない場合でも、葬儀社に一本電話をすれば相談に乗ってくれ、葬儀の手配をしてもらえます。
本来は、自分自身の死に際してどのような形で葬儀を行うかを、本人及び家族で決めておくことがベストです。
終活の一つとして、自分の葬儀の形を決めておく。
それも自分の人生の幕を閉じるための大きな決断です。
自宅で葬儀をして欲しい場合、決めておきたいこととして、最低限、以下の項目を生前に家族間で決め、記録しておきたいところです。
- 参列する人たち
- 自分の宗教にあった葬儀をするのかどうか
- 葬儀のプログラム、装飾、イベントなど
- 予算、その出どころ
これらを決めておいてから葬儀社に相談、見積もりを頼むと、どのように葬儀を送りたいか迷いがなく、当日を迎えたとき、葬儀社のアドバイスのもとスムーズに準備をすることができます。
気をつけたいこと
葬儀社に自宅での葬儀の見積もりを頼む時も、あらかたの希望を伝えたとしても不要なオプションや物品、サービスが含まれてしまい、高額になってしまうこともしばしばです。
そのため、葬儀の見積もりができたら一度項目を見ておきましょう。
把握しておきたいポイントは以下の2点です。
1.必要な物品、サービスが見積もりに入っているかどうか
抜けがちなのが、
- 火葬場の利用代
- 故人の病院から自宅、自宅から火葬場までの移動、搬送料金
- 遺体安置のためのドライアイス代
などです。
これらが抜けていた場合、葬儀の料金にプラスされてしまい、費用がふくらみます。
大きく金額が違ってくるので、必ず含まれているか確認しておきましょう。
2.追加オプションは本当に必要かどうか
省いてもかまわないようなサービスを追加してしまっていないか、チェックしてみます。
- 祭壇のボリューム
- 棺、骨壷、霊柩車などのランク
- 故人の体をきれいにするための儀式である「湯灌」など
本当に必要なものかどうか、見積もり項目を一つ一つ確認し、不要ならば省く、ランクを落とすなどを検討してみることも必要です。
家族で行いたいと思っている自宅での葬儀にふさわしいものかどうかを、家族みんなで見積もりを前にじっくり考えてみる。
悔いなく、自分たちらしい葬儀を送るために早めに取り組んでおきたいですね。
良い葬儀社を選ぶポイント
例えば故人が病院で亡くなった場合、病院から葬儀社をすすめられることがありますが、その際一般的に高価な費用を請求する葬儀社が多い、というイメージがあります。
しかし、自分たちの足で葬儀社を探すということはなかなかむずかしいものです。
一番早く確実なのは、インターネットを利用して葬儀社を検索することでしょう。
数多くの葬儀社がインターネットでホームページを設けていますし、それぞれがどんな自宅での葬儀を行なっているか、その価格やサービス内容まで詳しく載せています。
まず、インターネットで検索した複数の葬儀社からパンフレットなどの資料を請求、比較してみましょう。
比較、確認したいのが、
- 費用
- 葬儀社担当者、従業員の対応、態度
です。
いくら費用が安くても従業員の対応が素っ気ないと頼む気にはなれませんし、親身になって相談に乗ってくれる葬儀社でも費用が高く、オプションをやんわり押し付けてくる葬儀社だと敬遠してしまいます。
納得できる費用と誠実な対応。この2つを兼ね備えた葬儀社に頼みたいと思うのは当然と言えます。
費用は安いだけでなく、安いならなぜそうなのか、見積もり費用の中に漏れはないか、明確に物品やサービスの項目が記載されているかなどを確認します。
葬儀社の対応としては、
- 親身になって相談にのってくれるかどうか
- 提示した希望に合った提案をしてくれるかどうか
- 予算が限られていることを明らかにしても態度を変えずていねいに対応してくれるかどうか
など、「この葬儀社に葬儀を任せたい」と心から思えるところに依頼をしたいですね。少しでも違和感を感じたら、納得いくまで葬儀社と相談してください。
一つの葬儀社だけでなくあらかじめ複数の葬儀社の見積もりをとり、比較・検討してみてもいいかもしれません。
【まとめ】自宅葬を葬儀社に頼む
「自宅で家族の葬儀を行いたい。だけど時間も気持ちのゆとりもない。」
「自宅葬を考えているけど、初めてのことでどこからどう手をつけていいかわからない。」
こんな悩みを抱えていても、多くの葬儀社が相談に乗ってくれ、あなたの代わりに自宅でも葬儀を行なってくれることを理解していただけたでしょうか。
自宅での葬儀を葬儀社に頼むにあたり、手順をもう一度まとめてみます。
- 葬儀社がみつからなければ、インターネットで検索してみる
- できれば早めに葬儀の相談をする。複数の葬儀社に相談、見積もりを依頼する
- 葬儀の相談をしていく上で、どんなプランがあるのか、費用やサービスの内容を知る
- 葬儀社の対応はどのようなものか、親身になって予算に見合ったサービスや物品を考えてくれるのかどうか確認する
こういった手順を一つずつていねいに吟味し、いつかやってくる家族の旅立ちの日に備え、悔いのないお見送りをしたいですね。
