昔はどこの家にも合った仏壇ですが、最近では仏壇を持たない家が増えています。
核家族化によりマンションなどの狭い住宅が多くなったこと、宗教観やライフスタイルの変化から、大きなスペースをとる仏壇を家に置きたいという人は年々減っているのです。
しかし、身近な家族が亡くなって位牌を安置する場所がないため、その時初めて仏壇の購入を検討し始める方が増えています。
- 馴染みのない仏壇を選ぶ時、どんなことに気をつければいい?
- そもそも仏壇は何のためにあるの?本当に必要?
- マンションや和室のない家でも置けるのかしら?
という疑問をお持ちの方のために、今のくらしに合った仏壇の選び方と購入する際に注意したいこと、最近の仏壇事情についてご紹介していきます。
【目次】
仏壇って必要ですか? 移り変わる仏壇の在り方

仏壇は、仏像や仏具を安置して仏さまを祀る祭壇・台のことで、家の中にある小さな寺院と言われています。仏壇に手を合わせて礼拝することで真理に触れられる場所としての役割を担ってきました。
また、亡くなった家族やご先祖さまをお祀りすることで自身のルーツを感じて先祖に感謝したり、自分と向き合える場所としても大切にされてきたのです。
古くから日本人の心のよりどころとして日常にあった仏壇ですが、核家族化による住宅事情の変化・宗教観の変化によって現在では仏壇のない家が珍しくありません。仏壇に手を合わせるのはお盆やお彼岸で実家に帰った時くらいという方も多いのではないでしょうか。
株式会社インブルームスの「2013年・仏壇に関する意識調査」によると、複数人世帯の約6割の家庭が仏壇なしと答えており、やはり仏壇離れの傾向は否めません。
(出典:インブルームス2013・仏壇に関する意識調査)
また、一軒家に住む家庭の仏壇所有率が5割ほどなのに対し、マンションなどの集合住宅に住む家庭では2割にとどまっています。このことから、置くスペースがないことが仏壇を購入しない大きな理由だと考えられます。
(出典:インブルームス2013・仏壇に関する意識調査)
一方で、無宗教の家庭が増えたとは言え、家族や親が亡くなった時にはしっかり供養をしたいという気持ちは現代もなくなった訳ではありません。
(終活ねっと/2019年4月・仏壇に関するアンケート調査結果より作成)
購入のきっかけの約5割が「家族が亡くなり故人を偲ぶため」と回答していることから、仏様に礼拝する宗教儀礼的なことよりも、故人との対話・心の繋がりを求めて葬儀後に仏壇を購入する方が増えていることが分かります。
故人との心の繋がりが遺族の心を癒す
現代の人々のライフスタイルは多様になり、核家族化や近所付き合いの減少などで個人の営みを重要視する傾向にあります。そのため、身近に大切な人を亡くした時の喪失感を一人で抱えてしまう方が多くなっているのも事実です。
昔は家族や親戚が近くに住み、みんなで悲しみを共有して死を受け止めることができましたが、現代ではそれが難しくなっています。
葬儀の後に仏壇を構えて故人を偲び、充分に悲しみを表現することは遺族の心を癒すことになり、前を向いて立ち直って行くためにはとても大切な時間なのです。
下のグラフを見ると、仏壇を持っている人の方が、持たない人に比べて「故人やご先祖様に対してちゃんと供養できている」という気持ちを持てていることが分かります。
(出典:インブルームス2013・仏壇に関する意識調査)
故人と対話でき、心の繋がりを感じられる空間。現代の仏壇は宗教的な側面よりも「心の拠り所になる存在」という部分が大きくなっているのです。
また、最近では仏壇自体のデザインも大きく様変わりしています。昔ながらの宗教色が強いイメージとは違い、現代の住宅事情に合ったサイズのものや部屋のインテリアに合わせやすい家具やオブジェのようなデザインの仏壇も豊富にあります。
今のご自身の住環境やライフスタイルにフィットした仏壇が見つかりますよ。
葬儀を終えたら…仏壇はいつまでに買うの?
仏壇は基本的に仏様をお祀りするものですから、いつ購入するべきという決まりはありません。よく「仏壇を買うと不幸が起こる」などと言われますが根拠のない迷信ですので気にしなくて良いでしょう。
最近では身近な人が亡くなってから仏壇を購入する方が増えているため、その多くは葬儀を終え四十九日の法要までに仏壇を購入しています。しかし、間に合わない場合やじっくり検討したい方は新盆や一周忌までを目安に購入しているようです。
ちなみに、予算的な問題でお墓と仏壇を同時期に購入できない場合には、仏壇を先に購入するのがおすすめです。毎日近くで供養できることで故人も喜ぶでしょうし、遺族も悲しみから癒されて心の拠り所になっていきます。
後悔しない仏壇の選び方|6つのポイント
ここからは「仏壇の選び方」について見ていきましょう。仏壇を選ぶ際に押さえておきたい6つのポイントをご紹介します。
まず、仏壇を選ぶための手順としてはこちらです。
- はじめに、お祀りするスタイルを決める。
- 次に、仏壇を配置する場所を決める。
- 仏壇を配置する場所の寸法を測る。
- 仏壇の種類を検討する。宗派を確認!
- 形式・デザインなどから仏壇を選ぶ。
- 仏壇の予算を決める。
一番大切にしたいことは、仏壇を置いた時に部屋と調和して落ち着き、癒される空間になっているかどうか。故人を偲び、対話する場所として家族が安らげることが第一ですから、故人や供養する家族の気持ちを大切に選びたいものです。
1.仏壇選びのポイントは「お祀りするスタイル」
仏壇を選ぶ時、はじめに考えたいのはご本尊や位牌をお祀りするスタイルの方向性です。
毎日読経するなど宗教的儀礼に重きをおいた「信仰重視タイプ」か、ほとんど宗教を意識しない、または無宗教の「ライフスタイル重視タイプ」かによって選ぶべき仏壇が変わってきます。
伝統的な仏壇は宗派によって形式や仕様に違いがあるので、信仰重視タイプに向いている仏壇だと言えます。一方で、ライフスタイル重視タイプにとっては、現代の住環境や部屋のインテリアに溶け込むモダンなデザインの仏壇が向いていると言えるでしょう。
ご自身や家族の信仰・お祀りするスタイルを踏まえてから仏壇選びを始めましょう。
2.仏壇はどこに配置するべき?
ポイントは、お祀りしやすく心穏やかに手を合わせられる場所であることです。仏間はもちろん、リビング・和室・寝室など、和洋室問わずどこに置いても構いません。
仏教ではどの方向にも仏がいるとされていますので、基本的に仏壇の位置や向きに吉凶はありません。一般的に北向きは避ける傾向にありますが、これも風通しや日当たりなどを考えてのことですので気にしなくて良いでしょう。
仏壇を向ける方向には諸説ありますが、宗教や宗派によって違い、それぞれに意味があります。ぜひご自身の宗派を確認して参考になさって下さい。
仏壇の向き・方角の持つ意味
<本山中心説>
仏壇に向かって拝む時に、拝む延長線上に信仰する宗派の総本山がくるような方角に向けて配置する考え方です。結果、本山と住む位置の関係性によって方角はまちまちで、あらゆる方向に向けることになります。
<南面北座説>
仏壇を南に向け、北側に背中を向けるよう配置する考え方です。仏壇が直射日光にあたらず、風通しも良い間取りが多いことから最適な場所だと考えられています。
<西方浄土説>
仏壇を東に向けることで拝むたびに西方極楽浄土があると言われている西に向かって礼拝できるという考え方です。浄土真宗・浄土宗・天台宗はこの考えに基づいて向きを決めています。
宗派による考え方
<浄土真宗・浄土宗・天台宗>
この3つの宗派はご本尊に阿弥陀如来をお祀りします。阿弥陀如来は西方浄土にいるとされていることからその方角に向かって祈るためにに東面西座説の東向きが良いと言われています。
<真言宗>
真言宗には本山中心説が良いと言われています。拝む方向の延長に総本山があるように配置するのが良いとされています。真言宗の総本山は和歌山県の高野山金剛峯寺です。
<曹洞宗・臨済宗>
お釈迦様が説法を行う際に南向きに座っていたからということで、仏壇を南向きに配置する「南面北座説」を推奨しています。
仏壇を置く時の注意点
仏壇をおく場所は、あまり騒がしくない落ち着ける場所が好ましいです。日常の生活空間とあまり離れてないほうがお花やお供えの給仕がしやすく、毎日のお参りが億劫になりません。
直射日光や湿気、エアコンの風が当たる場所だと仏壇が傷みますので避けます。床の間やタンスの上、サイドボードの上に載せても大丈夫ですが、テレビやオーディオ等の音の出るものの上は振動があるので避けたいところです。
ちなみに同じ部屋に神棚がある場合には、向かい合わせにしないように配置します。これは片方に礼拝をする時にもう片方にお尻を向けてしまうのを避けるためです。神棚と仏壇を同じ向きに配置する際には、神棚の真下が仏壇になってしまわないようにずらして配置しましょう。
仏壇の高さはお参りするスタイルに合わせて置き場所を考えます。座ってお参りする場合にはご本尊が目線の高さよりも少し上にくるように置きます。立ってお参りする場合は、ご本尊が胸より少し上にくるように安置し、どちらの場合もご本尊を見下ろすことがないような高さに調整します。
3.配置する場所のサイズを計っておく
配置する場所が決まったら、実際に仏壇を選び始める前に一つ大事な準備があります。
それは、仏壇を置こうと思っている場所の広さをしっかり測ることです。
毎日のお参りの際に、前に座ったり立った時のスペース、梁や柱の位置によってどのくらいの高さまでの仏壇を置けるのかなど…実際に仏壇を置いたことを想定しながら、スペースの幅・奥行き・高さを測っておきます。また、回りの家具の高さを測っておくと並べる時の目安にしやすいです。
仏壇店へ足を運ぶ際には、サイズを書いたメモを忘れずに!
4.仏壇の種類で選ぶ
伝統的な仏壇としては、基本的に「金仏壇」と「唐木仏壇」の2種類に分けられます。近年では「モダン仏壇(家具型仏壇)」や「厨子型仏壇」の登場によって選択肢の幅が広がっています。
金仏壇
金仏壇は、白木に漆やカシュー等を塗って仕上げ、金箔や金粉で装飾した煌びやかな仏壇で「塗り仏壇」とも呼ばれています。金具・蒔絵・漆塗・木地・彫刻・ます組屋根など日本の伝統工芸の技を駆使して作られています。
価格は数万円〜数千万までと幅広く、素材や工法・装飾によって価格が変わります。宗派によって形状や内部の作りに大きな違いがあり、産地によってもそれぞれの特徴が見られます。
唐木仏壇
唐木仏壇は、木の色や木目を生かして仕上げた優しい風合いの仏壇です。
唐木というのは元々中国からの輸入銘木の総称で、黒檀(こくたん)や、紫檀(したん)や鉄刀木(たがやさん)等の銘木を素材としているのでこの名で呼ばれるようになりました。現在では欅や桑、屋久杉など日本産の銘木も使用しています。家具調仏壇に近い形状やデザインもあり、伝統的な部分とモダンな部分を併せ持った製品も多く見られます。
価格は数万円〜数百万円程で、素材や工法・装飾によって価格が変わります。宗派による作りの違いはありませんが、地域によって作りに特徴が見られます。
モダン仏壇(家具調仏壇)
モダン仏壇(家具調仏壇)は、和室や仏間がない現代的な部屋にも馴染みやすい、すっきりとしたデザインの仏壇で「都市型仏壇」とも言われています。
大きさや形・デザインも豊富で、一見すると仏壇とはわからないデザインが多くあるためご自身の部屋の雰囲気に合わせて選ぶことが可能です。
価格は数万円〜数十万円のものが主流で、金仏壇や唐木仏壇よりも購入しやすい価格のものが多いですが、素材や金具・蒔絵・彫刻など装飾によっては高額なものもあります。
厨子型仏壇
厨子とは、仏像や位牌・仏舎利・経典などを安置するお社のような存在で、それを仏壇にアレンジしたものが厨子型仏壇です。
上部の屋根張りが特徴的でコンパクトなサイズが魅力です。最近ではマンション住まいの方や施設に入居される方が省スペースのために検討されるようになり、パーソナル壇・ミニ仏壇などと並んで注目されています。
価格は数万円〜数十万円で、とにかく省スペースのものが欲しい方や、本格的な仏壇を購入するまでの一時的な供養として置きたい方に購入されています。
宗派を確認しよう|宗派によって異なる仏壇
仏壇を選ぶ時、宗派によっては仏壇の種類が決められている場合もあるので注意が必要です。購入前には必ず宗派を確認しましょう。宗派による仏壇の種類をご紹介しますので参考になさって下さい。
<浄土真宗>
ご本尊である阿弥陀如来の極楽浄土を表す象徴となるので、基本的には金仏壇がお薦めされています。浄土真宗の中には本願寺派(西)と大谷派(東)があり同じ金仏壇でもそれぞれの派によって作りが微妙に違いがあります。仏壇の柱に注目すると分かりやすく、本願寺派(西)が金色の柱なのに対して、大谷派(東)は黒の柱です。
<浄土真宗以外>
特に決まりがないため、気に入った仏壇を選べます。
5.仏壇の形式で選ぶ
仏壇の形式は大きく分けて3種類です。現代の生活に取り入れやすいよう様々な形式の仏壇が登場しています。
置く場所に合う形を選ぶのはもちろんですが、毎日のお参りの仕方をどのようにしたいか(前に立って、床に正座して、椅子に座って…等)を考えることも大切です。
実際、正座が辛くなってきたり、立ったり座ったりが困難になったため椅子でのお参りがしやすい仏壇を選ぶ方も増えています。ご自身や家族の状況に合わせて形式を選びましょう。
上置き型
チェストや棚の上に置けるコンパクトサイズの仏壇です。小さいので日々のお手入れがしやすく、移動も簡単です。ご本尊が目線より上にくるように何かの上に置くことを前提に作られているので、他の家具や部屋の雰囲気に合わせやすいデザインになっています。
壁掛け型
壁に取付けられるタイプの仏壇です。薄型の厨子を絵のように飾るもの、棚板のついたパネルを壁に取付けご本尊や仏具を安置するものなど種類が豊富です。新築する際に検討すれば、壁に埋め込むタイプも選べます。
仏壇を置くスペースのない方はもちろん、インテリアとして洗練された空間を楽しみたい方からも人気を集めています。
床置き型
床に直接置くタイプです。仏間に限らずフローリングに置いても合うデザインや、省スペースを考慮した細身のものが増えています。
仏事の用具やお手入れ用品もしっかり収納でき、経机やお参り用の椅子を収納できるタイプもあります。
手元供養も兼ねるならゆったりした収納タイプがおすすめ
近年、故人の遺骨や遺灰を身近な場所に置いて供養する「手元供養」の需要が伸びています。遺骨の一部をペンダントなどのアクセサリーに加工して身に着けるほか、遺骨の一部を残したり分骨して骨壷やオブジェに納め、部屋や仏壇に飾っておく方法もあります。
お墓を持たずに骨壷を手元に置いて供養する場合には、それなりの収納力がある仏壇がおすすめです。

6.仏壇を価格で選ぶ
仏壇の価格は本当に大きな幅があり、数万円で買えるミニ仏壇から数千万円する伝統工芸品と言えるようなものまで様々です。一見すると同じように見えるものでも大きな価格差が出ることもあり、相場がわかりづらいですよね。
一般的な仏壇の価格相場は、金仏壇が80〜130万円程度、唐木仏壇が60〜110万円程度、モダンタイプの仏壇は8〜15万円程度と言われています。
仏壇の価格の決め手になっているのは「使われている素材の材質・産地」と「つくる際の技法や技術・手間」です。例えば、ほぞを組んで組み立てているのか、接着剤で張っているのかと言った違いや、装飾の細工等にどのくらい手間が掛かっているのか、という違いで価格に影響します。
このように価格と品質(素材の良さや芸術性など)は比例していますが、高価な仏壇だから良いのではなく、ご自身や家族が気に入るものがあなたにとって一番良い仏壇になります。
仏壇を購入する際には、仏壇本体のほかにご本尊や毎日のお参りに必要な仏具も併せて購入します。仏壇と仏具の合計金額を意識しながら、予算内に収まっているか確認しておくと安心ですよ。
仏壇以外に必要なものは?
仏壇を完成させるには、仏壇本体の他にご本尊となる仏像・脇仏・故人の位牌・毎日のお参りに必要な仏具が必要です。
ご本尊と脇侍|宗派によって異なる
仏壇の中心に祀られる仏像や曼荼羅・掛軸などのことを「ご本尊」といい、信仰上もっとも尊いとされる礼拝の対象です。左右の壇にはご本尊をお支えする「脇侍(きょうじ)」をご安置します。御本尊や脇仏も菩提寺の宗派によって異なります。
ご本尊は菩提寺を通して頂くこともありますが、一般的には仏壇店から購入した後に菩提寺のご住職に魂入れ(たましいいれ)をして頂きます。
宗派 |
本尊 |
脇侍(左) |
脇侍(右) |
浄土真宗本願寺派 |
阿弥陀如来 |
親鸞聖人 |
親鸞聖人 |
浄土真宗大谷派 |
阿弥陀如来 |
九字名号 |
十字名号 |
浄土宗 |
阿弥陀如来 |
法然上人 |
善導大師 |
真言宗 |
大日如来 |
不動明王 |
弘法大師 |
天台宗 |
阿弥陀如来 |
伝教大師 |
天台大師 |
曹洞宗 |
釈迦如来 |
常済大師 |
承陽大師 |
臨済宗 |
釈迦如来 |
※宗派による |
※宗派による |
日蓮宗 |
曼荼羅 |
大黒天 |
鬼子母神 |
仏具|宗派を問わず必要な三具足(みつぐそく)・五具足(ごぐそく)
仏壇とご本尊・位牌が揃ったら、毎日のお参りに必要な花立や燭台、香炉、りんなどの仏具を合わせて選びましょう。揃える仏具は宗派によって異なります。
仏具の素材は木製・銅器・陶器・樹脂・金襴(繊維)など様々で、価格も大きく幅があります。仏具の大きさは仏壇に合ったサイズを選ぶことが重要です。大き過ぎれば煩く感じられ、小さ過ぎれば寂しい仏壇に。毎日お参りすることになる仏壇ですから、仏壇と仏具の統一感や飾った時の美しさを大切にしたいですね。
仏具の基本はお線香を焚く香炉、お花を活ける花立、ローソクを立てる燭台の3つです。三具足・五具足と言われ、これらを基本にして揃えます。正式な飾り方は五具足ですが、小さい仏壇では三具足で構いません。この他によく揃えられる仏具としては、リンやお供え物をのせる高坏などがあります。
- 三具足:香炉・花立・燭台。
配置:中央に香炉、右側に燭台、左側に花立。 - 五具足:香炉・花立一対・燭台一対。
配置:中央に香炉、その外側に燭台、さらにその外側に花立。
仏壇を購入する場所|いい仏壇店の選び方

仏壇の選び方がわかったら、ついにお店へ足を運んでみましょう。
最近では実店舗だけでなく、インターネットのオンラインショップにも多くの仏壇店があり人気です。その理由は、実店舗とは比べ物にならない品揃えの良さ。特に需要が伸びている小型タイプの仏壇の種類が実店舗よりも豊富なこと、価格が安いことなどから選ばれています。
一方、実店舗の仏壇店は実際の仏壇に見て触れ、店員さんに話を伺いながら検討できるという利点があります。宗派による仏壇や仏具の違い、土地による風習などにも精通しているのでその場で疑問を解消でき安心です。価格はオンラインショップに比べると少々割高になります。少なくとも3店舗は見て回り、見積もりをとってじっくり検討するのがおすすめです。
しかし、せっかく店舗へ出向いても怪しいお店でセールストークに乗せられてしまっては意味がありません。どんなことに注意すれば信頼できる仏壇店と出会えるのでしょうか?
信頼できるお店を見極めチェック!
信頼できる仏壇店かどうか見極めるために、必ずチェックして頂きたいことをご紹介します。実店舗とオンラインショップ、それぞれポイントがありますのでご活用ください。
仏壇公正取引協議会のステッカーはあるかどうか
仏壇業界には「仏壇公正取引協議会」という団体があり、加盟店舗は仏壇の原産国・原木・価格等を偽りなく明示しなければならないという規定があります。
適正な品質表示・原産国表示を行う目印となるため、実店舗の場合は店頭に「仏壇公正取引協議会」のステッカーが貼ってあるお店を選ぶと安心です。オンラインショップでも加盟しているお店はサイトに明記していますので、ぜひ確認してみて下さい。
店内がきれいで清掃が行き届いている
実店舗に訪れる際の大事なチェックポイントです。店内がきれいで清掃が行き届いているかどうかは、仏壇を丁寧に扱っているという姿勢の表れと言えます。店内が埃っぽかったりゴミが目立つようなお店では展示してある仏壇の管理も怪しいと考えるべきです。
店員の知識が豊富で相談にのってくれる
一般の人にとって仏壇の良し悪しは分からないですから、お客さんの疑問や不明点が解消するまでしっかり説明してくれる店員さんがいるお店は信頼できます。仏事コーディネーターの資格を持つ店員さんがいると知識も豊富でさらに安心です。
最近では、オンラインショップでも仏事コーディネーターに相談できるサービスを行なっているお店もあります。対面ではないものの、疑問や不明点を解消できるのでとても安心して購入できますね。
産地やメーカーの材質・品質について説明があったか
仏壇の商品説明に、その仏壇の産地や素材・工法などの品質面のことがしっかり明記されているか、もし書いてない場合にはお店の方に尋ねてしっかり説明してくれるかどうか確認しましょう。オンラインショップの場合もメールや電話で質問してみます。信頼できるお店ならばしっかりと返信が来るはずです。
大幅な値引きには要注意!
仏壇店では、時折「60%OFF」「8割引!」という大幅値引きを謳っているお店が見うけられます。そもそも仏壇に定価はなく販売店ごとに自由な価格を設定できます。値引きを謳うために高い定価を設定している場合もありますし、そんなに大幅な値引きをするには何か理由があるはずです。店頭はもちろんですが、オンラインショップでの購入を検討している時はさらに注意しましょう!
保証やアフターサービスはしっかりしているか
仏壇はそうそう買い換えるものではありませんし、長く使っていく間には修理やメンテナンスが必要になります。保証やアフターサービスがしっかりしているかどうかも重要な判断基準となります。実店舗・オンラインショップともにしっかり確認しましょう。
葬式後の「お悔やみ営業」にご用心!
「お悔やみ営業」をご存知ですか?
通夜や葬式が終わったお家を狙って仏壇や墓石の営業をすることです。知らないうちに不幸があった情報が漏れていて「線香をあげさせて下さい」などと言って家に上がり込み、訪問販売をする業者もいるので注意して下さい。
葬儀の後の心身ともに疲れ切った遺族にこんな営業をしてくるのは非常識ですが、まともに相手にしていたら身が持ちません。毅然とした態度で断りましょう!
仏壇を購入したら…|たましいのご供養

魂を入れる開眼供養(かいげんくよう)とは
新しく仏壇を購入したら、菩提寺の僧侶にご本尊や位牌に魂を入れてもらう「開眼供養(かいげんくよう)」を行います。
仏壇にご本尊や位牌を祀り、必要な仏具を飾ったら菩提寺の僧侶をお招きしてお経をあげて頂きます。僧侶をお招きせずに、ご本尊と位牌を持参して魂入れ(たましいいれ)の法要をお願いし、持ち帰って仏壇にお祀りするという方法もあります。
これらの法要を行うことで、それまではモノだった仏壇やご本尊・位牌に仏様や故人の魂が宿るのです。
仏壇を処分したい時は…
仏壇の買い替えなどで仏壇を処分したい時は、「閉眼供養(へいげんくよう)」の法要が必要になります。閉眼供養は、仏壇から故人やご先祖様の魂を抜く儀式です。開眼供養と同様に、菩提寺の僧侶をお招きしてお経をあげて頂きます。この供養によって仏壇が「モノ」に戻り、粗大ゴミとして処分することが可能になります。
仏壇以外には、ご本尊や位牌も閉眼供養が必要です。
それ以外の仏具(お参りに使う道具類等)は、供養は必要ありませんので自治体のルールに従って処分して下さい。
【まとめ】後悔しない仏壇の選び方
いかがでしたでしょうか。
時代の移り変わりとともに、仏壇の役割や在り方も変化していることが分かりました。
後悔しない仏壇の選び方について軽くおさらいしてみましょう。
- お祀りするスタイルは?→「信仰重視」or「ライフスタイル重視」
- 仏壇を配置する場所は?→「安らげる場所が一番」
- 仏壇を配置する場所が決まったら?→スペースの幅・奥行き・高さを測る。
- 仏壇の種類はどれにする?→まずは宗派を確認してから。
- 形式・デザインはどれがいい?→日々のお参りの仕方を考慮して。
- 仏壇の予算は?→一緒に購入する仏具なども予算に入れるのを忘れずに。
フローリングの部屋に合う家具調の仏壇や、北欧風のオブジェのような仏壇など…近年では多くのおしゃれな仏壇が登場し、昔ながらの仏壇のイメージは払拭されたのではないでしょうか。こうして形を変えながらも仏壇という存在が残り、現代のニーズに沿った仏壇へと進化を遂げていくのは嬉しいことです。
故人やご先祖さまと対話しながら、家族が和やかな時間を過ごせる。仏壇を通して供養の大切さや人の絆を感じられるそんな空間を作っていきたいですね。
